研究概要 |
天体における超相対論的ジェットをつくりだす粒子加速現象について、多角的、系統的な研究をすすめている。本研究では、 1.我々が開発運用している超広視野可視光望遠鏡WIDGETを用いた観測的研究、 2.宇宙X線観測衛星「すざく」に搭載されている広帯域全天モニターWAMによる観測的研究、 3.「すざく」や他の軌道X線天文台、地上望遠鏡を含む多波長による観測的研究 4.次世代の観測装置の開発 を研究の柱としている。本年度の実績の概要はそれぞれ以下のとおりである。1については、これまでの開発、性能評価をまとめた論文をUrata et al.として出版した。また中小口径望遠鏡との連携・連続観測について準備をすすめている。2.については、ガンマ線バースト観測の結果、太陽フレア観測の成果、さらに他の軌道望遠鏡との相互較正の結果について、Onda et al.,Endo et al.,Sakamoto et al.として出版した。とくに前2者は、全く異なる天体であるが、高エネルギー粒子加速をおこなっている点で共通しており、いずれにおいても、WAMの得意とするスペクトル変動をもちいた新しい切り口を提示できた。またガンマ線バーストのスペクトル変動に着目した研究をさらに進めており、投稿準備中である。これらの「すざく」衛星を用いたガンマ線バースト観測については、海外での学会で招待講演もおこなった。3.については、活動銀河核ジェット-ローブの進化についての観測的研究成果をYaji et al.,Isobe et al.として出版した。4.については、1件国際学会で発表し、現在、開発研究の成果を投稿論文としてまとめているところである。
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