研究課題
銀河同士の合体に伴い、中心の巨大ブラックホール同士も合体して大きくなったことが示唆されている。それが正しければ、合体前のブラックホールのペア、バイナリーブラックホールの形成は必然であるが、未だ観測的証拠は無い。本研究の目的は、バイナリーブラックホーに特有な電磁波放射変動特性を明らかにすることにより、ブラックホール成長を観測的に検証するための方法論を確立することにある。最終年度は、以下の3テーマに取り組んだ。1.バイナリーブラックホールのガスダイナミクス:バイナリーブラックホールへのガス降着流を、質量、連星系軌道の離心率、軌道面と円盤面の角度の3パラメータを変えてシミュレーションし、バイナリーブラックホールの光度曲線のパラメータ依存性を明らかにした。結果は論文にまとめて投稿した。レフェリーレポートを得て、いくつかのモデルを再計算し、再投稿した結果、受理された。2.バイナリーブラックホールを取り巻くガス円盤の探査:合体前のブラックホールは強い重力波を放射する。その放射特性に、バイナリーブラックホールの存在が影響を与えることを見いだし、その効果を定量的に明らかにし論文を投稿した。レフェリーレポートをうけて、さらに計算を進め、再投稿し、受理された。3.クランピーアウトフローの計算:ブラックホール降着流からのクランピーアウトフローについて、未解明の超臨界降着のレジームについて、今までにない大規模な輻射磁気流体シミュレーションを実行し、その特性を調べて論文にまとめ投稿した。クランプをつくる物理機構として、レーリー・テーラー不安定と輻射流体不安定の両方が効いていることを予想したが確認までは至らなかった。そのため、降着流部分をのぞき、中心から強烈な輻射がふいてガスアウトフローを駆動するという、よりシンプルな状況を仮定し、輻射流体シミュレーションを実行した。結果は解析中である。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 3件)
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