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2011 年度 実績報告書

逆運動学・発熱荷電交換反応による不安定核のスピン応答

研究課題

研究課題/領域番号 22340049
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

酒井 英行  独立行政法人理化学研究所, 共用促進・産業連携部, 部長 (90030030)

研究分担者 矢向 謙太郎  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (50361572)
キーワード不安定核ビーム / 逆運動学ビーム実験 / ガモフ・テラー遷移 / スピン双極巨大共鳴 / 発熱型(p,n)型荷電交換反応
研究概要

不安定核ビーム(^<12>Be)を用い、従来不可能であった逆運動学による発熱型(p,n)型荷電交換反応測定を遂行し、中性子過剰な不安定核のスピン応答の研究を推進する。特に、以下の二つ
(1)中性子過剰核^<12>Beを標的とするガモフ・テラー(GT)巨大共鳴の測定と遷移強度の導出、
(2)低励起に現れるスピン・ダイポール共鳴測定による閉殻構造の破れの検証、
に焦点を絞り研究を進める。
今年度は
1.実験実施上最も中心となる検出器である、60台のプラスチックシンチレータによる中性子検出器アレイ(WINDS)を組み上げ、検出器としての基本性能を確認した。
2.不安定核(^<12>Be)ビームが利用できる理化学研究所仁科加速器研究センター(RIBF)に於いて計画した実験、^1H(^<12>Be,n)^<42>B反応測定をSHARAQ電磁スペクトロメータとWINDSを使い遂行した。尚、不安定核^<12>Beビームのエネルギーは200MeV/u、標的は液体水素である。
3.計画した測定ができ、世界初の不安定核についてのスピン・アイソスピン応答を求めることができた。
4.現在、詳細なデータ解析中であるが、実験中のオンライン解析で、すでにGT巨大共鳴が観測され、二山に分離していることが明らかになった。一方、不思議なことに、強度の強いスピン・ダイポール共鳴は発見できなかった。
5.これに先駆け、実験技術習得のために、不安定核^<56>Niビームによる吸熱型(p,n)型荷電交換反応測定の測定を、研究協力者(R.Zegersと笹野匡紀)と米国国立超電導サイクロトロン研究所(NSCL)に於いて遂行した。この結果は、国際学術誌Phys.Rev.Lett.に掲載された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

理論で予測されていない、GT巨大共鳴の二山分離や、高強度スピン・ダイポール共鳴が観測されないなど、予想外の発見があり、大きな成果が上がったため。

今後の研究の推進方策

詳細な解析を進め、論文として出版するのが、来年度の目標である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Gamow-Teller Transition Strengths from ^<56>Ni2011

    • 著者名/発表者名
      M.Sasano, H.Sakai, K.Yako, et al
    • 雑誌名

      Physical Review Letters

      巻: 107 ページ: 202501-202505

    • DOI

      10.1103/PhysRevLett.107.202501

    • 査読あり
  • [学会発表] SHARAQでのスピン-アイソスピン実験2011

    • 著者名/発表者名
      矢向謙太郎
    • 学会等名
      日本物理学会2011年秋季大会
    • 発表場所
      弘前大学(青森県)
    • 年月日
      2011-09-16
  • [備考] に本実験で使ったSHARAQ電磁スペクトロメータと中性子検出器アレイWINDSの写真が掲載されている

    • URL

      http://nucl.phys.s.u-tokyo.ac.jp/sakai_g/index.html

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公開日: 2013-06-26  

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