研究実績の概要 |
本研究は、大きな成功を収めている広領域撮像分光サーベイであるSloan Digital Sky Survey (SDSS)を引き継ぎ、さらなる高度化・大規模化を目指した銀河・恒星の大規模分光サーベイ探査SDSS-IIIの実施とデータ解析を行い、精密宇宙論の探求および銀河の形成・進化史の解明を目的としている。 宇宙論の精密化のための赤方偏移0.7までの明るく赤い銀河(LRG)および赤方偏移3までのクエーサーの分光サーベイであるBOSSは順調にデータを取得し、2014年4月に所定の観測を終了し、137万個のLRGと29万個のクエーサーのスペクトルが取得された。これらのデータを含めSDSSプロジェクトで取得されたすべてのデータは2015年1月にData Release 12として公開された。SDSS-I, SDSS-IIと合計した銀河のスペクトルの数は240万個、クエーサーのスペクトルの数は47万個に達している。このデータリリースには銀河系内の星の赤外線での分光サーベイであるAPOGEEの15万個の星のスペクトルも含まれる。データの詳細はウェブページ(http://www.sdss3.org/dr12)に記されている。 これらの観測データ、特に、銀河の3次元分布とクエーサーの吸収線スペクトルの分布を用いて、宇宙の構造と進化、暗黒物質、暗黒エネルギーの性質についての研究が進められている。
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