研究課題/領域番号 |
22340057
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中野 敏行 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教 (50345849)
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キーワード | 飛跡検出器 / 原子核乾板 / 暗黒物質 / ニュートリノ / 非破壊検査 |
研究概要 |
本研究課題では、原子核乾板の3次元顕微鏡画像(分解能1mm以下)として極めて高速(1秒/cm2)に取得しリアルタイム処理する装置を研究開発し、到来方向検出による暗黒物質探索・ダブルベータ崩壊検出・ニュートリノ振動等の素粒子実験や非破壊検査に革新的な成果をもたらすことを狙う。5.1mm×5.1mmの視野もつ大型超広視野顕微鏡光学系を使用し原子核乾板画像を取得するにあたり、撮像素子の構造に起因する感度ムラを評価し、その補正を行うことでより高いS/Nを得ることができた。その過程で、現状では画素サイズが0.45micronであるが、画素補間を行うことで原子核乾板に記録された飛跡を構成する銀粒子の中心決定精度や、検出効率をより高めることが可能にする手法のヒントを得た。今後、画像処理アルゴリズムをGPUに実装しリアルタイムに行えるようにする。 モザイク型撮像素子の高密度化の検討を行い、当初は、1/8の撮像素子数に間引いたものでの実現を試みたが、一撮像面に1.5倍の素子数を実装した(素子数1/6型)が可能であることが判明した。したがって5mm×5mmをワンショットで撮像することが可能になり、それに応じてビームスプリッターにより結像面を6にすることで、2倍のスループットが達成できる目処がたった。 更に光学系の数値解析を行い、照明及び結像系にNAを制限するマスクを導入することで、分解能を20%程度の向上または、被写界深度の制御を可能にする手法を考案した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究における最大のポイントは、他に類を見ない5.1mm×5.1mmの視野サイズの紬像及び照明光学系による撮像こ品質であるが、十分な画質と分解能および画傑処理アルゴリズムの開発を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
原子核乾板載物台駆動方法の最適化より高スループットを得るために躯動アルゴリズムの最適化を引き統きおこない目標値の達成する。具体的には反作用吸収用アクチュエーターの学習制御を取り入れる等、より高度なものにする。また原子核乾板の交換時間減らすため、あらかじめ装置外で準備セットする交換方法を開発する。 撮像素子読み出しインターフェースを効率的に構築、実現することを試みる。また読み出しインターフェースに必要な電力、廃然処理を適切に行うことも電要である。原子核乳剤の製法および現像手法を改良することで、本研究で開発した光学系および両像処理に相互に最適化を図る。
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