研究概要 |
浜松ホトニクス社製の3mm×3mm(50μmピッチ)MPPCの4x4ディスクリートアレイの特性評価を行った.ゲインのバイアス電圧特性はほぼリニアで,平均5.5×10^5V^<-1>を示し,通常の単体MPPCと違いがないことが確かめられた.また,チャンネル間の特性の差は最大でも10%以下であった.ゲインの温度特性は,10^6ゲインでの動作時で3%deg-1であり,その他特性も含めて単体の3mm×3mm(50μmピッチ)MPPCと同等であった.ノイズレートは,0.5フォト閾値の場合常温で2~3MHzあり,温度によって一桁以上の差がある. 現在,プロトタイプカメラを製作中で,そこにはデッドスペースの小さい,浜松ホトニクス社製の3mm×3mm(50μmピッチ)MPPC4x4モノリシックルイを使う予定である.素子は入手済みで,現在すべての素子の特性評価を続行中である.評価が終了次第カメラの製作に取り掛かる.カメラ匡体は既に製作済みで,この素子を16個並べて視野1度以上のプロトタイプカメラとする. 一方,SPIROC-A ASICをベースに東北大学,KEKなどとともに開発したEASIROCボードを2枚作成し,基本的な動作試験を行った.単体のMPPCの信号をセルフトリガーで問題無く読み出すことができ,ADC分布を取ることができた.これをプロトタイプカメラにインストールし,明野観測所の小型大気チェレンコフ望遠鏡の焦点面に設置して,夜光に対するレスポンスを調べるとともに,うまくゆけば大気チェレンコフ光の検出を目指す.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
読み出し回路の開発がやや遅れたのに加え,MPPC素子の特性評価と選択に遅れが出た関係で,プロトタイプカメラの設計に遅れが出て,最低限のテスト観測まで持ってゆく予定のところ,まだ製作中である.
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