研究課題/領域番号 |
22340065
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
三原 智 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (80292837)
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研究分担者 |
西口 創 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教 (10534810)
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キーワード | パルス化ミューオン / レプトンフレーバー / J-PARC / μ-e転換事象探索 / ビームエクスティンクション |
研究概要 |
J-PARCにおける高純度大強度パルス化ミューオン源を用いた素粒子物理学の新たな領域を開拓するための基礎研究を開始した。 荷電レプトン間のフレーバ混合事象は、標準理論を超える新物理の存非を決定づける証拠として、発見と分岐比の測定が望まれている。特にμ-e転換過程の重要性は強く認識されており、J-PARCでのCOMET実験において、その測定に向けた開発研究が進行中である。本研究ではこの実験の早期実現を目指して以下の研究を行った。(1)10億分の1の感度での陽子ビーム時間構造の測定(2)シミュレーションによるビーム損失の研究。(1)においてはJ-PARC加速器アボートライン内に新規モニターを設置し、陽子ビームを直接測定する試みと、加速器から引き出したビームにより生成された二次ビームを計測することによる間接的な時間構造の測定とを行い、1000千万分の1の感度での測定が可能である確証を得た。今後は測定器、読み出し電子回路の改良を行うことにより目標感度に到達することを目指すとともに、加速器への陽子ビーム入射方法を改良することでビーム時間構造の高純度化を目指す。(2)においては独自に開発したシミュレーションコードを用いて、周回陽子ビームとビーム取り出し装置との相互作用の影響を取り入れたシミュレーションを開始した。この研究は(1)の測定結果を理解し、ビーム取り出し時の時間構造の悪化を改善するためには不可欠の研究である。
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