回路動作に必要な電力を抑えたアルミナ材料のメモリー動作のメカニズムを理解するために、放射光実験における知見を元にこのデバイスの電子状態について研究を行った。酸素サイトの電子状態を捉えるためのXAFS測定を行った。酸素欠損場所を導入した場合の電子構造と、電子が増減した場合の電子構造の変化を元に予想される電子状態密度分布の特徴的なギャップ内の構造が実現していることを示唆する実験結果を得た。 酸素欠損場所にキャリアが誘起され、電場印加により、伝導帯が形成されることにより、メモリー動作するというモデルが妥当であることを意味している。特に、空隙を伴う陽極酸化膜の特異なドメイン構造がメモリー機能を生み出す一つの要因であることが示唆された。
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