研究概要 |
大きな有効質量を持つ重い電子系においては,磁場効果の実験は重い電子状態を調べる上で重要な手法である.電子状態が 4f1電子状態である典型的な重い電子化合物CeCu6と5f2電子状態であるUBe13およびPrOs4Sb12について強磁場NMR 実験を行った.CeCu6では NMR から求められた準粒子磁化率は磁場によって抑制されることが分かり,共鳴近藤モデルによって説明できる.一方,UBe13では磁場によるナイトシフトや緩和率の抑制は 10%程度と小さく,観測された磁化率の約 90%近くがヴァンブレック磁化率であることがわかった f2電子状態を持つ重い電子の準粒子磁化率はf1電子状態を持つ重い電子と異なることが明らかとなった.
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