研究概要 |
強磁性半導体である酸化ユーロピウムEuOは,Euを過剰にしたり,2価イオンのEuを3価でイオン半径が小さいLaやGdで置換したりして格子定数や電子ドープを行うことによって,巨大磁気抵抗効果を伴った強磁性転移温度の急激な増大(約70K→150K)を示す。その起源は,Eu 4fとO 2pとの混成効果,および,伝導電子を媒介とした間接相互作用,または,空間的に局在した4f電子による磁気ポーラロン効果によるものと考えられているが,決定的な結論は得られていない。そこで本研究では,これらのうち,Eu 4f?O 2p混成と間接相互作用の起源である伝導電子数を別々にコントロールする技術を確立した。それを用いて,強磁性転移温度を高めるための知見を得た。
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