本研究は冷却原子気体における自発的対称性の破れに注目して研究を行った。具体的には、スピン自由度を持ったスピノールボース・アインシュタイン凝縮体(BEC)、スピン―軌道相互作用をする系、および、人工ゲージ場下で高速に回転するボース気体の系に関する研究を行った。特筆すべき成果としては、最初の系に対しては、ボゴリウボフ理論を超えるベリアエフ理論の構築に成功し、スピン2BECの相転移の基本的性質を説明した。二番目の系に対しては、スピン―軌道相互作用に起因するさまざまな種類の量子渦および渦格子を見出した。最後の系に関しては、ボソンの量子ホール効果の予言を行った。
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