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2011 年度 実績報告書

原子波回路の構築と物質波ソリトンへの応用

研究課題

研究課題/領域番号 22340117
研究機関福井大学

研究代表者

熊倉 光孝  福井大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (30324601)

研究分担者 森田 紀夫  福井大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30134654)
キーワード量子エレクトロニクス / 原子・分子物理 / 低温物理 / 超精密計測 / 超流動 / レーザー冷却 / ボース凝縮 / 原子波
研究概要

Rb原子気体のBose-Einstein凝縮体(BEC)を光双極子力によってリング状に変形するために、トラップ中心軸に入射しBEC中心部に穴をあけるプラグレーザー光と、中心軸に垂直に入射しBECを平面的にトラップするためのスライスレーザー光の、2本のレーザービームの準備を行った。プラグレーザーには波長532nm、出力1Wのレーザー光源を用い、そのビーム照射位置を音響光学変調器によって空間掃引する装置を製作した。直径10μm程度の葉巻型BECの中心軸にビームを照射するためには、照射位置の高い安定度が必要であり、変調器の冷却効率を上げるなどの対策を行なって照射位置安定度の改善も進めた。スライスレーザーについても波長1064nm、出力2Wのレーザー光源を用い、同様に音響光学変調器による空間掃引装置を製作した。現在我々が生成しているBECに適用して十分な精度で変形を行うには、照射位置精度の更なる改善や、BEC自体のサイズおよび原子数を増大させることが未だ必要であると考えられるが、今年度、これら光学系の基盤を整えることができ、原子波回路の構築に向けて前進することができた。なお今年度は、光学的位相制御によるBECへのソリトン導入に利用する狭帯域レーザー光源の開発も並行して進めた。外部共振器を用いた光帰還によって周波数安定化した半導体レーザー光源(波長780nm、線幅~40kHz)を用いて、更に別の共振器のFM分光を行い、共振器の共鳴からの誤差信号を半導体レーザー素子の電流にフィードバックし周波数線幅の狭窄化を行った。得られた線幅(~20kHz)はRb原子の誘導ラマン遷移で反跳エネルギー差を分離できる程度で、原子波の光学的位相制御に向けても実験準備を進めることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当該年度の主目的であった原子波回路の構築に必要な実験装置の準備がおおむね進んでいる。その他に、ボース凝縮体へのソリトンの導入に必要な実験装置の製作も進んでおり、全体的な目標に向かっておおむね順調に進展していると判断している。

今後の研究の推進方策

これまでの研究・実験準備を更に進めて原子波の回路を実現するには、現有のBEC生成装置の改良を行い、BECの原子数・サイズを5倍程度にまで増強することが最も効果的であると判断している。そこで次年度は、二重磁気光学トラップシステムの改善によるRb原子の磁気トラップへの高速ローディングと、RF蒸発冷却の高速・効率化を行って、BECの特性向上を目指す計画である。条件の実現が難しい場合、原子ビームの利用など、新たな原子ローディング方法の採用も検討する方針である。条件が満足させ次第、今年度準備した光学システムを用いてBECの変形を行い、回路の構築を試みる計画である。また、これらと並行して、ソリトンの導入に向けてBECの光学的位相制御実験の準備も進める方針である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 超伝導微粒子の空間捕捉2012

    • 著者名/発表者名
      鈴木伸明, 他
    • 学会等名
      日本物理学会第67回年次大会
    • 発表場所
      関西学院大学
    • 年月日
      2012-03-24
  • [学会発表] 光帰還法によるレーザー周波数線幅の狭窄化2011

    • 著者名/発表者名
      平井裕也, 他
    • 学会等名
      2011年度日本物理学会北陸支部定例学術講演会
    • 発表場所
      福井大学
    • 年月日
      2011-11-26
  • [備考]

    • URL

      http://apphy.u-fukui.ac.jp/~kumakura/index.html

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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