本研究では、画像を光のまま、保持し、制御する、「画像共振器」という新しい概念を提唱し、その、(1)可能性、(2)基本的問題点、(3)限界をブレイクスルーする方法、などを明らかにする。画像共振器は、光のまま画像情報を保存することが特徴であり、光情報処理、量子画像に対してもつ将来的な可能性も探索していく。 (A1)Fabry-Perot画像共振器の2次元画像透過特性 従来の単一横モードのレーザービームの透過特性と比較して、画像伝播特性には回折現象を明らかにすることが重要である。この結像特性を、(1)2次元画像を画素に分解しフレネル回折の原理を用いて解析する「実空間」アプローチ、と(2)画像を波数フーリエ成分によって表現し伝播特性を波数と周波数の2次元で解析する「波数空間」アプローチ、をもちいて系統的に理論解析した。 (A2)Fabry-Perot型共振器の画像透過の実験 入射ビームを拡大しテストパターンを挿入し、画像をエンコードする。画像共振器の透過画像はフォトンカウンティングモードでの超微弱光観測をした。この測定では、画像共振器の中で、光子数<<1、すなわち高々1つの光子しか存在しない状態で実験を行なった。単一光子でも検出されていなければ画像全体に関わる情報を、量子力学的な重ね合わせ状態として保有している。画像情報を単一レベルで共振器に閉じ込めることを示し「速い画像」と「遅い画像」を実現した。
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