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2012 年度 実績報告書

魚類を中心とする色可変な構造色の研究

研究課題

研究課題/領域番号 22340121
研究機関大阪大学

研究代表者

吉岡 伸也  大阪大学, 生命機能研究科, 助教 (90324863)

研究分担者 木下 修一  大阪大学, 生命機能研究科, 招聘教授 (10112004)
研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード構造色 / 干渉
研究概要

研究課題の最終年度にあたる今年度は、これまでの成果を土台にして研究を進めた結果、幾つかの新たな成果が得られた。具体的には、タマムシの多層膜干渉に関する定量的評価とそれによる位相整合層の発見、その原理を応用したタマムシ発色基板の製作、シジミチョウの構造色に関する研究、色変化する構造色を評価するための顕微鏡システムの改良などである。前年度、タマムシの多層膜構造を形成する二種類の材質の屈折率を決定した。一方、多層膜構造の厚さを電子顕微鏡観察から決定することで、任意なパラメータ無しに光学特性を解析することが可能となった。その結果、タマムシの多層膜構造は単純な周期的構造ではモデル化することはできず、表層付近の層が内部と比べて厚いことが、緑色の光を強く反射させるために重要な役割を果たしていることが分かった。表層付近の層が、多層膜構造内部から反射した光と最外層で反射された光の位相を合わせる働きを持っているのである。その工夫を模倣した再現基板を作成し、SPIE国際会議において発表を行った。シジミチョウに関する研究では、アイノミドリシジミを対象として多層膜構造の非周期性を取り入れた数値解析を行った。その結果、類似の反射スペクトルを与える無数の多層膜構造が、二つのタイプに分離できることを見出した。二つのタイプでは膜構造の全体の厚さが異なり、このチョウは全厚が薄いタイプを採用している。また、色変化する構造色をより詳しく調べるための顕微鏡システムの改善を行った。顕微鏡下にレーザー光を導入することが可能となり、また、透過配置においても角度依存性を測定できるような工夫を行った。実際に樹脂でできた矩形回折格子を対象に理論的な計算値と顕微鏡システムを用いた実験結果を比較することで、構築したシステムが定量的に回折効率を評価できることを確認した

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Elucidation and reproduction of the iridescence of a jewel beetle2012

    • 著者名/発表者名
      S. Yoshioka, S. Kinoshita, H. Iida, and T. Hariyama
    • 雑誌名

      Proc. SPIE

      巻: vol. 8480 ページ: 848005-1-10

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Phase-adjusting layers in the multilayer reflector of a jewel beetle2012

    • 著者名/発表者名
      S. Yoshioka, S. Kinoshita, H. Iida, and T. Hariyama
    • 雑誌名

      J. Phys. Soc. Jpn. 81

      巻: 81 ページ: 054801

    • DOI

      10.1143/JPSJ.81.054801

    • 査読あり
  • [学会発表] タマムシの構造色2012

    • 著者名/発表者名
      吉岡伸也、木下修一、飯田晴久、針山孝彦
    • 学会等名
      日本物理学会2012年秋季大会
    • 発表場所
      横浜国立大学
    • 年月日
      20120918-20120921
  • [学会発表] Aperiodic multilayer designs in the structural colors of natural systems2012

    • 著者名/発表者名
      S. Yoshioka
    • 学会等名
      SPIE Optics + Photonics meeting
    • 発表場所
      San Diego, アメリカ合衆国
    • 年月日
      20120812-20120816
    • 招待講演
  • [学会発表] タマムシの構造色に施された微妙で重要な工夫2012

    • 著者名/発表者名
      吉岡伸也
    • 学会等名
      第13回構造色シンポジウム
    • 発表場所
      青山学院大学
    • 年月日
      2012-11-10
  • [学会発表] 銀箔の着色に見られる興味深い光学現象2012

    • 著者名/発表者名
      木下修一、江畑芳、吉岡伸也
    • 学会等名
      第37回光学シンポジウム
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2012-06-14
  • [学会発表] 伝統工芸と構造色:銀箔の発色現象

    • 著者名/発表者名
      木下修一
    • 学会等名
      第13回構造色シンポジウム
    • 発表場所
      青山学院大学

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公開日: 2014-07-24  

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