研究課題
理論解析の関係では、解析理論月の極に設置した望遠鏡で観測する月の回転変動から月の内部構造を求めることを目標とし、まず、月の内部構造を仮定して1年分の疑似観測データを計算したところ、月レーザ測距、クレメンタイン月探査機、ルナプロスペクタ月探査機、かぐや月探査機 の4種類の観測から得られた月の重力場モデルから予想される星の軌跡の差は、月面望遠鏡の目標観測精度の1ミリ秒角より大きい10ミリ秒角以上であることを示した。つぎに、観測データから月の内部構造を求める逆問題を解くために、月固定座標系で表される粘弾性の月について検討した結果、重力場モデルと弾性パラメータに対して、星の軌跡は高い感度があり、それらのパラメータが月の回転変動の解析理論で表されることを示した。その結果、回転変動の観測値の許容誤差が見積もられ、たとえば、潮汐ラブ数k2に高い感度がある周期成分を見つけた。開発実験の関係では、地上試験観測用の水銀皿の試作を行い、必要な光学的有効径を探るとともに、水銀面の面精度や振動の影響などを測定した。その結果、水銀皿の深さが0.25mmまたは0.5mm程度あれば0.09~0.2波長の面精度があることが確認でき、この程度の深さであれば製造中心位置に対する振動の影響も小さいことが確認できた。つぎに、実際に水銀皿を望遠鏡に組み込み、人工光源を用いたCCD上の星像中心位置の変化を、3成分の地面振動、傾斜とともに記録し、相互の関係を詳細に調べ、水銀面の振動の影響を目標精度で補正する見通しを得た。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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