研究課題/領域番号 |
22340137
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
安成 哲三 名古屋大学, 地球水循環研究センター, 特任教授 (80115956)
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研究分担者 |
佐藤 正樹 東京大学, 大気海洋研究所, 教授 (00255142)
林 泰一 京都大学, 防災研究所, 准教授 (10111981)
佐藤 友徳 北海道大学, 地球環境科学研究科(研究院), 准教授 (10512270)
里村 雄彦 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (20273435)
藤波 初木 名古屋大学, 地球水循環研究センター, 助教 (60402559)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 気候 / アジアモンスーン / 降水変動 / 季節内変動 / 準2週間変動 |
研究概要 |
バングラデシュの1950年~2011年の地点降水量データの解析より、1980年以降に特に準2週間周期(QBW)が卓越するようになったことがわかった。1979年以降の約30年分の高精度降水量データと再解析データより、ヒマラヤ-アッサム-バングラデシュ(以後、対象領域)の降水のQBWは、陸上のアジアモンスーン域で最も活発で、特にバングラデシュ周辺のメガラヤ高原とミャンマー北西岸で振幅が大きいことがわかった。降水のQBW活発期(不活発期)には、対象領域周辺の大気下層で西~南西風(東~南東風)が卓越する。この東西風変動は波長約6000Km程度の西進する赤道ロスビー波によってもたらされる。メソ気象モデルにより、メガラヤ周辺を対象に2004年夏季の降水の再現実験を行った。モデルは2004年のメガラヤ周辺の降水変動の特性を概ね再現した。降水量はQBW活発期に顕著な日変化を示した。これは900hPa周辺の下層ジェット気流の日変化が原因であり、この気流が標高約1500mのメガラヤを乗り越える際に自由対流高度まで持ち上げられ、強い対流雲を形成し降雨を増大させた。一方、不活発期は下層ジェットが弱く、地形によって大気が自由対流高度まで持ち上げられないため、対流雲が発達しないことがわかった。さらに、全球非静力学モデルNICAMでも、対象領域周辺の降水変動が再現されたが、現実とは異なるメカニズムで生じていることが示唆された。これらの解析より、対象領域に降水のQBWをもたらす大気擾乱は数千Kmの広がりを持つにも関わらず、対象領域の地形的な特徴に強く依存した、遙かに小さなスケールで顕著となっていることが明らかになった。本研究により、南アジアでも特に雨の多いヒマラヤ-アッサム-バングラデシュ領域において最も卓越する降水変動であるQBWの変動機構を解析とモデルの両方で明らかにすることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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