研究課題/領域番号 |
22340139
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松野 健 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (10209588)
|
研究分担者 |
遠藤 貴洋 九州大学, 応用力学研究所, 学術研究員 (10422362)
張 勁 富山大学, 大学院理工学研究部, 教授 (20301822)
千手 智晴 九州大学, 応用力学研究所, 准教授 (60335982)
日比谷 紀之 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80192714)
|
研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
キーワード | 日本海底層水 / 乱流エネルギー散逸率 / 深海乱流計 / LADCP / 日本海固有水 / 溶存酸素 |
研究概要 |
前年度、前々年度に実施した、深海乱流計による、日本海深層・底層までの乱流エネルギー散逸率の計測結果を用いて、日本海底層における特殊な鉛直構造と、その構造を維持したままポテンシャル水温が長期的に上昇するメカニズムについて検討を行った。当初予想した底層における強い鉛直混合が、2010年12月、2011年8月の2回の航海において観測されなかったため、上層からの熱が底層を暖めているというシナリオでは説明できないことが明らかになった。そこで、底層の水温を上昇させる要因として、海底面からの地殻熱流量を考慮し、過去の地殻熱流量のデータを用いて、緩やかな加熱に基づいた底層水温の上昇を見積もると、1000mに及ぶ一様層を維持しながら水温が上昇することが確かめられた。しかしその上昇幅は実際に観測されている水温上昇に比べて大きく、底層には何らかの冷却の影響があることが示唆された。それは、本来、日本海深層水を形成している冬季の冷却が効いていることを示すものである。観測された鉛直拡散係数と既存の地殻熱流量のデータを用い、適当な冷却を底層に加えたモデル実験を行うことによって、密度一様な底層水の水温が緩やかに上昇している現在の状況を再現することができた。この研究成果は現在論文がほぼ完成し、学術雑誌に投稿準備中である。 一方、主温度躍層以深の中層については、2010年の白鳳丸の広域データと同年の淡青丸データから得られた水平的に高解像度の溶存酸素データを用い、冬季に沈み込んだ水が一様に広く拡がっているのではなく、比較的高酸素の水がパッチ状に分布していることから、間欠的に様々な深さに沈み込んだ水が、日本海盆の循環によって海盆東部まで運ばれてきていることが示された。
|
現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|