研究課題/領域番号 |
22340147
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐藤 比呂志 東京大学, 地震研究所, 教授 (00183385)
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研究分担者 |
工藤 健 中部大学, 工学部, 准教授 (80410645)
堤 浩之 京都大学, 理学研究科, 准教授 (60284428)
豊島 剛志 新潟大学, 自然科学研究科, 教授 (10227655)
越谷 信 岩手大学, 工学部, 准教授 (90205378)
武田 哲也 東京大学, 防災科学技術研究所・地震研究部, 研究員 (80455253)
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キーワード | 内陸地震 / 震源断層 / 地質構造 / 地殻構造 / 活断層 / 変動地形 / 日本列島 |
研究概要 |
震源断層の予測精度を向上させるためには、これまで活用されていない地質構造の情報を基軸として、活断層-震源断層を評価していくことが必要不可欠である。本研究では、東北と九州地方を例として、地表地質・重力などから断層を抽出し、断層の三次元モデルを作成する。平成22年度は、とくに九州地方の重力異常データをもとに、構造地質学的な解釈を行った。重力を加味して推定された断層について、空中写真判読による変動地形学な検討を加えた。また、発震機構解や震源分布などの地震学的なデータも活用し、震源断層形状の三次元的な推定を行った。とくに大分-別府地域の活断層系について反射法地震探査データと震源分布を元に、北傾斜の主要な震源断層が存在することを明らかにした。東北地方については、重力データの乏しい地域について、重力測定を行い、総括的な表示を行った。また、新潟地域については中新世のリフト構造と現在の震源断層の検討を行い、日本海拡大時に形成された地質構造をもとに、震源断層の形状推定が可能なことを明らかにした。とくに、2008年の岩手宮城内陸地震について地質構造を基軸として、検討を加えた。その結果、ここでも同様に日本海拡大時のリフト構造が、震源断層の形状に大きな影響を与えていること、リフト期に形成されたリフトと斜交する構造が、セグメンテーションに大きな影響を与えていることを明らかになった。とくに、地質構造・変動地形・重力異常・反射法地震探査データなどを総合的な解析することによって、震源断層が高い精度で推定できることを示すことができた。これらの成果は精度の高い内陸地震の災害予測にとって、大きな前進である。
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