研究課題/領域番号 |
22340148
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
清水 以知子 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (40211966)
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研究分担者 |
上原 真一 東邦大学, 理学部, 准教授 (20378813)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 蛇紋岩 / タルク / 間隙圧 / 有効応力 / 摩擦係数 / 沈み込み帯 / マントルウェッジ / 変形実験 |
研究概要 |
沈み込みプレート境界地震発生帯の力学物性に対する間隙流体と含水マントル物質の影響を解明するため、間隙圧制御のもとでタルクと蛇紋岩のプレカット試料をもちいた摩擦実験を行った。ガス圧式3軸変形試験機をもちいた室温、封圧 110 MPa、間隙圧 0~100 MPa までの条件におけるタルクの摩擦試験では応力・間隙圧のステップ状変化に対する摩擦係数の応答を調べ、これまで乾燥した石英や花崗岩ガウジの実験で知られている値とは大きく異なる応答を見い出した。この違いは沈み込み帯深部のスロースリップのような特異なすべり現象と関連している可能性がある。油圧3軸試験機をもちいたアンチゴライト蛇紋岩(長崎県産)の 300 ℃、封圧 380 MPa、間隙圧 250 MPa までの実験では、前年度までの室温における実験と同様、有効圧の法則からのはずれが示唆された。 2011年東北地方太平洋沖地震をもたらしたプレート境界断層の性質を明らかにするため、地球物理学的観測データから得られている沈み込み帯の構造データと、ウェット条件における海洋地殻物質の摩擦係数や石英等の転位クリープ流動則をもちいて、断層強度分布を推定した.モデルにおいては脆性ー延性遷移領域で予想される有効応力の法則の破綻も考慮している。宮城沖地震の震源の深さは石英の延性領域に対応し、M7級のイベントを起こしたアスペリティーは沈み込んだ海山と推定される。M9の震源は石英の脆性領域内にあり、海溝付近の泥質堆積物との大きな摩擦強度の差が大きな滑りを引き起こしたと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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