研究課題
鬼界カルデラは7300年前に形成した海底カルデラで,日本各地にアカホヤ火山灰として広域に影響与えた巨大爆発を起こしたものである.カルデラの外輪山は薩摩硫黄島,竹島に残っており,薩摩硫黄島では硫黄岳が現在でも活発に活動しており,周辺部に熱水を流出している.研究は,1)熱水活動に伴う赤褐色の鉄沈殿物の堆積機構を求める,2)鬼界カルデラの音波探査解析:音波探査データによりカルデラ形成時の堆積物の分布を把握する.2)硫黄島周辺部のサンゴ掘削:3m大の浜サンゴについて,硫黄島北部地域で取得に成功した.普通真っ白のサンゴだが黒い縞々を含むサンゴが取得できた.火山の周りは通常の海水よりpHが低く酸性にもかかわらずサンゴが生育していることが明らかになった.3)温度分布・ヒートフローの長期観測:長浜湾において熱水活動の長期観測を行った.4)長浜湾における熱水活動の観測:長期観測による海底が透明になる時期を明らかにし,ダイビングにより熱水流出を確かめる.周辺部はバイオマットが形成しており,初期チムニーが形成し始めている.5)堆積物,チムニー,鉄浮遊物,トラップ設置を新たに行っている,それぞれの化学分析を行っている.特に長期pHおよび水素イオン濃度変動を海底の深さごとにデータの取得を行っている.チムニーに関しては,ガリオネラspの鉄還元菌により形成していることが明らかになった.気象データから,長浜湾に沈殿した堆積物の10年間の挙動を解明し,天候・潮の満干・鉄沈殿と地層形成の関連性が明瞭になった.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2012
すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (5件) 図書 (1件)
The Island arc
巻: 21 ページ: 118-147
Doi:10.1111/j.1440-1738.2012.00808x
巻: 21 ページ: 66-78
Doi:10.1111/j.1440-1738.2012.00811x