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2012 年度 実績報告書

現世および化石カキ礁の形成過程から解明する古環境とカキ類の古生態変遷

研究課題

研究課題/領域番号 22340153
研究機関茨城大学

研究代表者

安藤 寿男  茨城大学, 理学部, 教授 (50176020)

研究分担者 岡田 誠  茨城大学, 理学部, 准教授 (00250978)
伊藤 孝  茨城大学, 教育学部, 教授 (10272098)
七山 太  独立行政法人産業技術総合研究所, 地質情報研究部門, 主任研究員 (20357685)
近藤 康生  高知大学, 自然科学系, 教授 (90192583)
内田 康人  地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 地質研究所, 主査(沿岸保全) (60465961)
嵯峨山 積  地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 地質研究所, 研究主幹 (90446352)
秋元 和實  熊本大学, 沿岸域環境科学研究教育センター, 准教授 (70222536)
研究期間 (年度) 2010-10-20 – 2013-03-31
キーワードカキ類の進化 / カキ礁 / タフォノミー / 古生態 / 白亜紀 / 現世 / 汽水生底生生物群集 / 古環境変動
研究概要

北海道東部厚岸湖とパシクル沼での調査結果の取りまとめと,新規に調査を行った九州南西部八代海南部の現生カキツバタ礁の研究を中心に進めた.
厚岸湖では,公共工事のボーリング資試料から得られた岩相・粒度・貝殻・珪藻化石・火山灰・炭素14年代などの各種データから,厚岸湖の過去1.14万年間の形成史(潮汐平底三角州の内部構造や湖底下のバリアーシステムの形成時期など)が推定でき,厚岸湖のカキ礁は約5500年前頃に成立したことが想定された.
パシクル沼のトレンチ調査では,露頭断面・露頭剥ぎ取りシート試料での層相,産状,軟体動物構成種などの観察から,カキ化石密集層の内部構造を把握し9層序ユニットを識別した.カキ密集層は,泥質干潟に発達したカキ礁を擾乱・洗掘し,多量のマガキの殻を運搬・再堆積させた高エネルギーの水流によるイベント堆積物である.貝殻の炭素14 年代,上位の泥炭層に含まれる数枚の遡上津波砂層,北海道東部太平洋岸における諸条件を考慮すると,津波によって形成された可能性が高い.約8000年前に湾奥の干潟にカキ礁の広がっていたパシクル沼には,約千数百年間に数百年周期の巨大津波が複数回襲来して破壊されながらも,その間にはカキ礁が再構築され,層厚2mに達するカキ化石密集層が形成された.
八代海南部の水深30mの海底に発達するカキツバタのカキマウンド群については,精密海底地形探査,海底地質構造調査を行い,マウンド1ヶ所で潜水調査を実施した. マウンド表面は,大半が貝殻質底をなしており,カキツバタの中~大型個体の死殻を主体とし,上面に生貝が少数固着している.生貝は単独の横臥個体も少なくないが,数個体の固着塊をなすものがあり,リレー型固着個体も認められる.マウンドは多様な生物の生息場となっており,カキツバタ礁となっているが,これほど大規模な礁はこれまで少なくとも日本近海では知られていない.

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (16件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (12件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] 北海道東部厚岸沿岸低地の完新世バリアーシステムと海水準変動の復元2013

    • 著者名/発表者名
      重野聖之・七山 太・須藤雄介・嵯峨山 積・長谷川 健・安藤寿男
    • 雑誌名

      地質学雑誌

      巻: 119 ページ: 171-189

    • DOI

      DOI:10.5575/geosoc.2012.0081

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 北海道東部,釧路地域における樽前d降下火砕堆積物の発見とその意義2013

    • 著者名/発表者名
      長谷川健・花岡正光・古川竜太・重野聖之・七山 太・中川光弘・安藤寿男
    • 雑誌名

      地質学雑誌

      巻: 119 ページ: 掲載確定

    • 査読あり
  • [学会発表] 北海道東部パシュクル沼の完新世マガキ化石密集層の他生・自生互層:8000-6600年前の津波堆積物か?

    • 著者名/発表者名
      安藤寿男・近藤康生・松島義章・横山芳春・重野聖之・七山 太・石井正之・仲田亜紀子・笹嶋由衣
    • 学会等名
      地球惑星科学連合2012年度連合大会
    • 発表場所
      幕張メッセ国際会議場
  • [学会発表] 音波探査で見いだされた厚岸湾・厚岸湖(北海道東部)の潮汐三角州の内部構造と埋没カキ礁の分布

    • 著者名/発表者名
      内田康人・嵯峨山 積・重野聖之・七山 太・安藤寿男
    • 学会等名
      地球惑星科学連合2012年度連合大会
    • 発表場所
      幕張メッセ国際会議場
  • [学会発表] 2011 年度地質の日イベント企画「パシュクル沼に潜む巨大津波痕跡と化石カキ礁の秘密」実施報告

    • 著者名/発表者名
      重野聖之・小久保慶一・山代淳一・石井正之・近藤康生・松島義章・横山芳春・上原 亮・七山 太・安藤寿男
    • 学会等名
      地球惑星科学連合2012年度連合大会
    • 発表場所
      幕張メッセ国際会議場
  • [学会発表] 完新世バリアーシステムと海水準変動の復元:北海道東部厚岸沿岸低地の例

    • 著者名/発表者名
      重野聖之・七山 太・内田康人・嵯峨山 積・長谷川 健・安藤寿男
    • 学会等名
      日本堆積学会2012年札幌大会
    • 発表場所
      北海道大学
  • [学会発表] 北海道厚岸湾沿岸の沖積層(厚岸コア)の珪藻解析

    • 著者名/発表者名
      嵯峨山 積・重野聖之・須藤雄介・七山 太・安藤寿男
    • 学会等名
      応用地質学会北海道支部研究発表会
    • 発表場所
      土木研究所寒地土木研究所(札幌市)
  • [学会発表] 2011年度地質の日企画「パシュクル沼に潜む巨大津波痕跡と化石カキ礁の秘密」の企画と実践

    • 著者名/発表者名
      重野聖之・石井正之・七山 太・小久保慶一・山代淳一・近藤康生・松島義章・横山芳春・上原 亮・安藤寿男
    • 学会等名
      日本地質学会第119年学術大会
    • 発表場所
      大阪府立大学
  • [学会発表] 北海道東部の厚岸湾沿岸の厚岸コア(沖積層)の珪藻解析

    • 著者名/発表者名
      嵯峨山 積・重野聖之・七山 太・安藤寿男・内田康人
    • 学会等名
      日本地質学会第119年学術大会
    • 発表場所
      大阪府立大学
  • [学会発表] 北海道東部,風蓮湖バリアーシステムの地形発達史から読み解く過去5500年間の海面変動と地殻変動

    • 著者名/発表者名
      七山 太・重野聖之・石川 智・渡辺和明・池田保夫
    • 学会等名
      日本地質学会第119年学術大会
    • 発表場所
      大阪府立大学
  • [学会発表] 八代海南部の海底水深30mのマウンド群に発達するカキツバタ(二枚貝)礁

    • 著者名/発表者名
      安藤寿男・大越健嗣・秋元和實・七山 太・坂本 泉・滝野義幸・根本安加里
    • 学会等名
      日本古生物学会第162回例会
    • 発表場所
      横浜国立大学
  • [学会発表] 巨大津波の襲来を繰り返し受けた化石カキ礁:北海道東部パシクル沼における完新統の例

    • 著者名/発表者名
      横山芳春・安藤寿男・仲田亜紀子・近藤康生・松島義章・重野聖之・七山太・石井正之・上原亮・村田崇行・笹島由衣
    • 学会等名
      日本古生物学会第162回例会
    • 発表場所
      横浜国立大学
  • [学会発表] 八代海南部出水西北西沖水深30mの海底マウンド群に発達するカキツバタ(Hyotissa imbricata)礁

    • 著者名/発表者名
      安藤寿男・大越健嗣・秋元和實・七山 太・坂本 泉・滝野義幸・根本安加里
    • 学会等名
      日本貝類学会平成25年大会
    • 発表場所
      豊橋市自然史博物館
  • [学会発表] 北海道東部の厚岸沿岸域の沖積層コアと表層堆積物の珪藻分析-古環境および電気伝導度との対応

    • 著者名/発表者名
      嵯峨山 積・重野聖之・内田康人・七山 太・安藤寿男
    • 学会等名
      日本地質学会北海道支部
    • 発表場所
      北海道大学
  • [備考] 6.カキ礁形成とカキ化石の進化

    • URL

      http://paleogeo-ando.sci.ibaraki.ac.jp/index.php?id=12

  • [備考] 新聞各紙で北海道パシクル沼のカキ化石層の研究が紹介

    • URL

      http://paleogeo-ando.sci.ibaraki.ac.jp/index.php?id=72

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公開日: 2014-07-24  

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