研究課題
本研究の目的は、米国アポロ計画で回収された月面表層土粒子を高精度に計測し、イトカワ粒子との比較、粒子シミュレーションとの比較、かぐやの月全球データの活用、などにより、固体惑星表層土の形成進化過程を定量的に明らかにし、反射率補正の高精度化、将来の月面探査のための地盤力学情報の取得と活用、などを行うことである。本年度の研究成果は以下の通りである。(1) 放射光施設SPring-8において、海と高地の2種類の月面砂(アポロサンプル)の高解像度X線CT撮影を行い、3次元粒子形状および内部の鉱物分布を取得した。(2) 固体惑星表層土の形成進化に重要な粒子破砕現象に関して、準静的載荷による破砕実験と高速衝突(500m/sec)による破砕実験の比較を行い、統一的な状態方程式モデルを構築した。(3) 個別要素法(DEM)による数値解析を用いて、粒子破砕の微視的メカニズムを検討し、破砕後の粒径分布のフラクタル性および粒子形状分布の特徴についての検討を行った。(4) 月の表土の主要構成成分である斜長岩や玄武岩の光散乱特性を測定した。表面のナノメーターからマイクロメーターサイズの細かな凹凸のサイズによって光の散乱特性が変化し、さらにその変化に波長依存性があることがわかった。月着陸探査における月面の表面状態の地域差への対応の必要性を広く訴えた。(5)月表土の状態に近い伊豆大島火山フィールドでの無人探査車の性能実証試験の環境を整え、複数の探査車の開発に貢献した。(6)かぐやの可視・近赤外波長域分光データを用いて月面堆積層の水平学組成分布推定(鉄、マグネシウム比の分布推定)を行い、これら表層堆積層の組成から月地殻深さ方向の物質分布(鉄、マグネシウム量の変化と鉄、マグネシウム比の変化)を推定した。またこれらの情報を基に将来の(科学探査を目的とした)月面探査候補地点の検討を行った。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Granular matter
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