研究課題
本研究課題の目的は、第一に、海洋地殻から上部マントルが露出したものと考えられているオマーンオフィオライトの構成岩石についてその地震波速度を求めること、第二に、海洋地殻の速度構造からその岩石学的構造について検討することである。本年度は次の研究項目を推進した。(1)弾性波速度計算:オマーンオフィオライトの岩石学的構造と地震波速度構造の関係を理解するためには、オマーンオフィオライト産の岩石の弾性波速度計算値が重要である。本項目では、平成22年度にオマーンオフィオライトのワジ・ラジミにおいて採取した岩石試料に関して弾性波速度を岩石試料の構成鉱物体積比と鉱物化学組成から算出した。試料の構成鉱物体積比は、まず試料の全岩化学組成と構成鉱物の化学組成からマスバランス計算により重量比を求め、構成鉱物の密度から体積比に換算した。(2)オマーンオフィオライト地質調査:オマーンオフィオライトの岩石学的構造の多様性と地震波速度構造の関係を今後明らかにするために、約10日間の現地地質調査を1月に実施した。フィズ地域、スクバ地域において岩石試料を採取した。
2: おおむね順調に進展している
オマーンオフィオライトの岩石試料を順調に採取し、弾性波速度の見積もりに取り掛かっている
弾性波速度を岩石試料の構成鉱物体積比と鉱物化学組成から算出するために、平成23年度に採取した多数の岩石試料に関して(1)構成鉱物体積比、(2)全岩化学組成分析、(3)構成鉱物の化学組成分析を行う。また、オマーンオフィオライト地質調査を10日間行う。研究成果を国内外の学会で発表し、学術論文にまとめる。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)
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