研究課題
オマーンオフィオライトは中生代白亜紀の海洋地殻マントル断面が露出したものと考えられている。オマーン国北部で観察されるオフィオライトの地質産状は不均質であることが先行研究から報告されており、フィズ地域では比較的薄い地殻マントル遷移帯、スクバ地域では比較的厚い地殻マントル遷移帯、ラジミ地域では地殻マントル境界、ヒルティ地域では地殻マントル遷移帯近傍での後期ダナイト・ウェールライトの大規模貫入が観察される。本研究課題の目的は、(1)オフィオライトの構成岩石についてその地震波速度を求めること、(2)オフィオライトの地質産状と弾性的特性の関係を明らかにすることである。本年度は次の研究項目を推進した。(1)オマーンオフィオライト地質調査:オフィオライトの岩石学的構造の多様性と地震波速度構造の関係を明らかにするために、約1週間の現地地質調査をオマーンで12月に実施した。オマーンオフィオライト北部のラジミ地域、ヒルティ地域、スクバ地域に露出する海洋地殻・マントル断面を対象とする地質調査を実施した.採取した岩石試料について,偏光顕微鏡観察による鉱物のモード測定および電子線マイクロアナライザによる鉱物学組成分析を行った。(2)弾性波速度計算:オマーンオフィオライトの海洋地殻マントル断面において採取した岩石試料に関して、弾性的性質が等方的であると仮定して、Hacker and Abers(2004)の方法を用いて、岩石のP波およびS波速度を岩石試料の構成鉱物の化学組成と体積比から計算した。その結果、オマーンに露出する白亜紀海洋地殻とマントル断面の地質学的特徴と地震波速度および反射強度の特徴が明らかになった。(3)上記の研究成果を学術論文にまとめ査読付き学術誌へ投稿準備中である。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2012 その他
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)
Journal of Marine and Petroleum Geology
巻: 30 ページ: 43-49
10.1016/j.marpetgeo.2011.10.0 05
Geological Society London, Special Publications
巻: 265 ページ: 29-47
10.1144/SP365.3
岩石鉱物科学
巻: 41 ページ: 67-86
10.2465/gkk.111024
巻: 41 ページ: 103-121
0.2465/gkk.100427
Journal of Asian Earth Sciences
巻: 61 ページ: 102-115
10.1007/s11027-012-9433-z
Contributions to Mineralogy and Petrology
巻: 163 ページ: 611-629
10.1007/s00410-011-0689-1
http://er-web.jmk.ynu.ac.jp/html/ARIMA_Makoto/ja.html