研究課題
高圧下でのレーザーを使った高温の発生は地球内部科学研究のみならず物質合成手段としても大きな魅力である。そして、そこで合成された物質の構造を把握する目的で粉末X線によるその場観察による研究がおこなわれている。しかしながら、高温状態での結晶粒成長は、均質なX線回折強度の収集に影響し、高圧下での正確な構造解析を阻害する要因になっている。本研究では、高圧装置中の試料に対しガンドルフィーカメラ型多軸揺動を施し、粗粒の粒子からも均質な回折強度を得ることを試み、その問題を解決する。本技術の確立により、高圧下の正しい電子構造の描像が理解され、様々な高圧物質科学の波及効果を与え、研究に新しい局面をもたらすことを期待する。本年度は研究分担者とともに、ダイヤモンドアンビルセル(DAC)用多軸精密揺動装置の動作概念の設定と装置設計・試作、およびその動作確認をおこなった。設計においては、ガンドルフィー型駆動方式を念頭に置き、DACにより必然的にブラックアウトする領域が少なくなるような効率の良い揺動を検討した。さらに、多様な駆動方式に対応するためのリモート式の駆動軸を独立な回転軸として3軸確保した。また、超高圧発生装置として使用する超小型DAC高圧装置についても、揺動装置に搭載可能にするための軽量かつコンパクトな仕様(特に開口角、台座および台座支持強度)を検討・試作をおこなった。本年度は、装置その後、小型DACを使用して超高圧発生の経験のある研究分担者と協力して圧力発生試験をおこなった。
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