研究概要 |
本研究は、申請者らによって開発・発表された,イリジウムとオスミウムの同位体希釈中性子放射化分析法をルテニウムとレニウムにも拡張し、国内外のさまざまなタイプの珪長質岩に応用する。上記予備研究における、白金族高含有花崗岩の成因を解明すべく、既存の鉱物や硫黄同位体のデーターとあわせ、白金族元素の地球化学サイクルから珪長質岩の新成因論に挑むものである。放射化分析は、原研施設共同利用研究による中性子照射と、名古屋大学共同利用施設としてのアイソトープ総合センターのゲルマニウム検出器を用いて行う。 平成22年度は、これまでの予備研究で,他分析法による同位体データがある、超苦鉄質岩,玄武岩等と共に沢入、蛭川、武節の花崗岩を分析すべく、大量の岩石粉砕が可能な連続粉砕ボールミルを開発、その試運転をおこなった。このボールミルにより、連続して大量のケイ酸塩粉砕が可能となった。さらに、珪長質岩の化学組成分布の基本となっている愛知県東部~岐阜県南部の地球化学図における元素存在度相互の関係を解析した。 全岩試料の中性子放射化分析を準備したが、アイソトープセンターのゲルマニウム検出器電子冷却システムの不調により、一部の分析を23年度に繰り越し、23年度に分析を行った。
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