研究概要 |
本研究は、申請者らによって開発・発表された,イリジウムとオスミウムの同位体希釈中性子放射化分析法をルテニウムとレニウムにも拡張し、国内外のさまざまなタイプの珪長質岩に応用する。上記予備研究における、白金族高含有花崗岩の成因を解明すべく、既存の鉱物や硫黄同位体のデーターとあわせ、白金族元素の地球化学サイクルから珪長質岩の新成因論に挑むものである。放射化分析は、原研施設共同利用研究による中性子照射と、名古屋大学共同利用施設としてのアイソトープ総合センターのゲルマニウム検出器を用いて行う。 平成23年度は、大量の岩石試料を前処理する、多段式連続粉砕ボールミルによる粉砕試運転を行った。その結果、ボールミル隔壁の固定が不安定で、ボールミル連続体が相互にずれる事がわかった。製作者と打ち合せ、改良工作を進めている。 中性子放射化分析のために、原子力機構施設利用共同研究として「地圏環境における元素分布・循環の研究(V)-花崗岩中の白金族元素存在度の多様性と岩石の成因-が採択されていたが、3月11,日の震災により、東海村にある研究用原子炉JRR-3,JRR-4が被災し、中性子照射がかなわなかった。原子炉は、平成24年7月に再開予定で、それに向けた試料調製を進めた。 研究協力者Lee Seung-Gu博士の案内で韓国の花崗岩を見学した(経費はKIGAM).
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