研究課題
炭素質隕石、宇宙塵中のアミノ酸などの光学異性体比を測定するための超高感度分析法を開発し、生命の起源を考える上で不可欠な光学異性体の偏りが宇宙からもたらされた有機物に起因するのか否かを明らかにすることが、本研究の目的であり、超高感度検出器の開発、極微量試料のハンドリングシステムの構築、分析上の汚染防止技術の確立を行い、複数の炭素質隕石などに含まれるアミノ酸の光学異性体比測定を実施し技術の実証を目指した。特に、amol超微量有機物分析技術の確立という世界でも最高感度の有機物の光学異性体比分析技術を確立することであり、超微量試料ハンドリングのためのナノーマイクロ微細加工技術の利用、超高感度検出器の開発、2次元HPLCシステムの利用など、様々な最先端技術を融合させる。最終年度である今年度は、最終目標である分析感度が達成できるかどうかの検証を行った。標準試料を用いたアミノ酸の分析では、数十amolまで達成することができた。実際の炭素質隕石を用いた場合、グリシン、アラニンなどのタンパク質アミノ酸は分離上の支障がなく分析が可能であったが、隕石のアミノ酸として特徴のあるα-アミノイソ酪酸やイソバリンでは共溶出するピークが存在するために、アミノ酸の検出そのものは可能であったが、光学異性体比を正確に求めることは困難となる課題が残された。微小試料ハンドリングのための自動化装置開発を目指した試料の処理方法改善として、マイクロマシン技術を応用した自動化に向けた開発を行い、極微量の粉末試料輸送という点においては実現可能性の目処を得ることができた。しかし、固体酸触媒の利用という面では、十分効率的な手法を確立するには至らず、課題が残された。国際宇宙ステーションの暴露部を使用した宇宙実験「たんぽぽ」計画での模擬粒子の分析などを行い本研究で得られた成果が実試料分析に適用できることを確認した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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