前年度に確認したプラズマ生成について、"L-C共振構造の設計およびプラズマ生成の実証"に関して詳しく解析を行うと共に、"メタマテリアル逆問題法"を通したプラズマおよび屈折率等の巨視的パラメータの検討を行った。 メタマテリアルとしてミクロなプラズマ密度分布がどのようにマクロなパラメータに影響を与えているか関連付けを行うため、プラズマのメタマテリアルが持つ微視的な誘電率分布を測定した。これは、L-C共振構造体に大電力(<500W)マイクロ波を投入したときに生成されるプラズマに対して、プラズマパラメータ測定を可動式プローブ法を適用することで行った。結果として、プローブ法により、電子密度が2x10^<11>cm^<-3>以上、電子温度が1-4 eVと得られたため、微視的な複素誘電率は実数部が最大となる場合に-2.2+0.1jとなることがわかった。すなわち、誘電率が有意に負の値を取ることが実証できた。また、マクロ情報の取得についてベクトルネットワークアナライザ(VNA)によるパラメータ抽出法を適用し、プラズマが無い場合には複素透磁率が-0.54+0.13jであることが明らかとなった。プラズマが有る場合にもVNAによるパラメータ抽出法の適用を試行し、透過波・反射波強度の変化について、定性的にはミクロなパラメータとマクロなパラメータの相関が取れることが明らかとなった。 また、独自に開発した光周波数コム型レーザ光システムをアルゴンの準安定励起粒子密度の測定に適用し、生成されたプラズマパラメータとの相関が理論予測通りであることを確認した。
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