研究課題
まず、研究実施計画の通り、本研究で用いるCoBIT用の可視分光装置を設置し、多価イオンからの発光線を用いて調整を行った。本イオン源には、既にEUV分光器が設置されており、同一観測平面上でかつ同時に異なった波長領域を観測することが可能となった。EIBTのイオン種は、希ガスや鉄・スズ・タングステンやビスマスなど選択することが可能であり、核融合プラズマで問題となっている炉材料の元素や、基礎データの不足している元素の多価イオンデータを取得することが目的の一つである。初年度は鉄、およびタングステンの多価イオンの分光計測を行った。鉄多価イオンでは8価~16価までのEUV波長領域の発光線を確認し、発光線強度比の電子密度依存性や電子エネルギー依存性について定量的に測定した。次期核融合装置の炉内機器材料の候補であるタングステンは重元素であるため、プラズマ中のイオン価数は多岐にわたり、その発光線の同定は非常に複雑で困難であり遷移波長さえもまだ正確に決定されていないのが現状である。我々は今年度タングステン多価イオンの11価~26価までの未同定ラインを可視光領域(300-400nm付近)で40本近く発見することに成功した。現在これらの発光線の遷移波長の決定と同定を進めている。また別の可視光領域(400~600nm付近)で100本近くの未同定タングステン多価イオン発光線を確認しており、早急に同定を行って行く予定である。これらの成果は国際会議の招待講演や9編の査読付き論文によって発表されている。
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件) 学会発表 (2件)
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submitted to Journal of Physics : Conference Series
巻: (印刷中)
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