研究課題
今年度は、前年度に引き続き、可視分光装置及びEUV分光装置を用い、多価イオンの発光スペクトルの観測を試みた。EBITのイオン種は、希ガスや鉄・スズ・タングステンやビスマスなど選択することが可能であり、核融合プラズマで問題となっている炉材料の元素や、基礎データの不足している元素の多価イオンデータを取得することが目的の一つである。前年度から核融合プラズマで問題になっているタングステン多価イオンに注目し、発光線の同定を行ってきた。今回初めて同定された微細構造遷移も数多く存在し、多くの重要な電子データを提供してきた。今年度は理論計算により予想された、タングステン多価イオン26+の5s-4f遷移の発光線の測定を試み、初めて100オングストローム付近にその発光線を確認した。しかもLHDプラズマにタングステン不純物ペレットを入射しEUVスペクトルを測定したところ、100オングストローム付近に同様の発光線を確認することにも成功した。このように我々の多価イオン源を用い、核融合プラズマで得られるであろうスペクトルを、電子エネルギーを広範囲で走査することによって模擬することが可能であることが実証された。これらの実績を踏まえ、今後は、核融合に有用な基礎データの収集を進め核融合に貢献するばかりでなく、広く原子分子基礎データを整備することで他の分野へも広げていく必要があると考えている。これらの成果は2014年ウィーンで行われるIAEA Technical Meetingにおいて招待講演で報告する予定である。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件) 学会発表 (9件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)
Phys. Scr.
巻: T156 ページ: 014010
10.1088/0031-8949/2013/T156/014010
巻: T156 ページ: 014013
10.1088/0031-8949/2013/T156/014013
巻: T156 ページ: 014081
10.1088/0031-8949/2013/T156/014081
巻: T156 ページ: 014079
10.1088/0031-8949/2013/T156/014079
AIP Conference Proceedings
巻: 1545 ページ: 143-152
巻: 1545 ページ: 64-71
Fusion Science and Technology
巻: 63 ページ: 400-405
Nuclear Fusion
巻: 53 ページ: 093017-093028
10.1088/0029-5515/53/9/093017