水とアルコールの混合の様相を分子レベルで理解するために、水とメタノールの混合クラスターに着目し、その分子間構造を赤外分光法により調べた。まず水クラスターに比べて知見に乏しかったメタノールのみからなるクラスターに焦点を絞り、サイズ(構成分子数)10-50の範囲で、その中性及びプロトン付加体が基本的に一次元水素結合鎖のみからなる単純な単環(プロトン付加体では二環)構造を取ることを明らかにした。続いてメタノール-水混合クラスターの構造を調べ、特定サイズにおいて水をメタノールが取り囲む包接構造が形成されることの実験的証拠を得た。
|