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2011 年度 実績報告書

物質設計と反応速度解析による新規触媒反応開拓

研究課題

研究課題/領域番号 22350005
研究機関東京大学

研究代表者

佐々木 岳彦  東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (90242099)

キーワード物質設計 / ナノ粒子 / 酸化コバルト / 固体触媒反応 / 炭酸マンガン / 形状制御 / 計算化学 / TAP
研究概要

本研究課題は、新規触媒反応を開拓するための、物質設計指針を確立し、その原理を解明することを目的とした研究を展開する。コバルトオキシ水酸化物で成功している階層的構造を有するホローナノ粒子の合成を、他の金属酸化物に拡張する。また、金属クラスターに関しては、コアとなる他の元素を中心とする階層構造を有する金属クラスターの合成、単離を行い、構造、電子状態を解明する。
23年度の実施項目は、(1)コアシェルクラスターと金属酸化物ナノ粒子の開発、(2)計算化学によるマテリアルデザインと構造・電子状態の解明、(3)触媒反応の反応素過程解析に関して取り組んだ。
(1),CdSやCdSeをコアとし、周囲を遷移金属酸化物で包んだコアシェルクラスターの合成については現在も最適化条件を検討中である。また、金属酸化物ナノ粒子の形状制御に関しては、引き続き取り組んでおり、酸化マンガンのナノ粒子が、炭酸マンガンナノ粒子からの焼成で生成できること、炭酸マンガンナノ粒子が有機溶媒相/界面活性剤(CTAB)/塩化マンガン+炭酸アンモニウム水溶液の3相系で、水/CTABモル比をパラメーターとしてこの値を変えることで形状を制御できることを明らかにした。また、酸化コバルト触媒に関して、ベンズイミダゾール誘導体の触媒として室温で有効であることを示した。
(2)計算化学的方法により、Reクラスターに白金を加えた場合に、ベンゼンの酸素酸化、フェノール生成がより容易に起きること、およびその理由を電子状態の観点から明らかにした。
(3)触媒反応の反応素過程解明のために使用するTAP装置について、改良を行い、コンピュータープログラムも修正することで、パルスガスを供給した場合の時間応答を大幅に短縮することが出来た。このシステムを用いて、酸化コバルトを分散させたメソポーラスマテリアル触媒を還元した系について、一酸化炭素の水素化でブタンが生成することを見いだした。低圧極限での結果として興味深い。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画書及び交付申請書に記載したことをおおむね順調に遂行している。

今後の研究の推進方策

今までに得られている結果に基づき計画を推進していく。コアシェルナノクラスターの開発を推進すると共に、TAPリアクターに光反応用のセル、およびプラズマ照射のためのセルを組み込み、熱反応だけでなく、光励起反応、プラズマ支援反応の反応計測と新規反応開拓を進めていく。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Room temperature synthesis of benzimidazole derivatives using reusable cobalt hydroxide (II) and cobalt oxide (II) as efficient solid catalysts2011

    • 著者名/発表者名
      M.Adharvana Chari, D. Shobha, T. Sasaki
    • 雑誌名

      Tetrahedron Letters

      巻: 52 ページ: 5575-5580

    • DOI

      10.1016/j.tetlet.2011.08.047

    • 査読あり
  • [学会発表] 修飾銅電極表面を用いた二酸化炭素の変換2012

    • 著者名/発表者名
      佐々木岳彦, 野口将希
    • 学会等名
      日本化学会春季年会
    • 発表場所
      慶応大学
    • 年月日
      2012-03-25

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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