研究課題
本年度の研究実施計画にあげた4項目のうち、第1のFMO-MD法の開発拡充については、これまでに作成・改良してきたFMO-MD導入ABINIT-MPの統一版のスーパーコンピュータ京への移植、コンソーシアム内での普及を行い、その有用性を確かめた。また、FMO-MD法を、従来の溶液中の低分子だけでなく、タンパク質などの高分子に適用できるように、アルゴリズムを改良した。応用計算としては、FMO法を用いてDNA断片の電子状態計算を行い、今後の計算の指標となる結果を得た。第2の有機反応における経路分岐現象の実験的検討に関しては、反応ダイナミクスの重要性が示唆されるハロケトン類のSN2/付加反応の反応機構境界領域反応について、各種置換フェナシルクロリドの無水メタノール中、ナトリウムメトキシドとの反応について、速度測定と生成物分布に対するメトキシドイオンの濃度効果を詳細に検討し、置換基効果解析に基づいて反応機構を解析した。得られた結果を既に報告した分子動力学シミュレーションの結果と比較し、溶液中でのシミュレーションの必要性を指摘した。この成果はBull. Chem. Soc. Jpn.誌に公表した。シミュレーション応用計算では、経路分岐現象の一般性と適応性を検証するためのビニルジアゾニウムイオンのイオン化反応についての分子動力学シミュレーションを行った。その結果、ベンジルビニルジアゾニウムイオンの反応で、経路分岐現象を見いだした。この結果はダイナミクス支配現象の多様性に関して新規な情報を与えるものであり、その成果を国際会議で報告した。さらに、最終年度の本年度は、これまでの成果をまとめていくつかの総説として報告した。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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