研究課題
生体中に存在する金属酵素の諸機能を利用し、次の3つのセンサー、VOC(揮発性有機化合物)センサー、微生物センサー、NOセンサーを、生体系金属酵素を模倣した金属錯体を用い開発した。まず、(i)VOC(揮発性有機化合物)センサーは、シップインボトル法により、ゼオライトの細孔内にフタロシアニンをShip-in-bottle法により合成したフタロシアニン内包ゼオライトがトルエン、キシレン、ベンゼン、アセトアルデヒド、アルコールを分子レベルでセンシングできることを、QCM(水晶振動子)を用いた実験により明らかにした。アルコールセンサーについては、現在デバイス化を進めている。次に,(ii)微生物センサーは、細胞が有する鉄捕集化合物であるシデロフォアの機能を利用・発展させたものであり、ヒドロキサム酸型とカテコール型の人工シデロフォアの開発を行った。今年度は新しく取組んだカテコール型シデロフォアの合成に成功した。そして、3つ目の(iii)NOセンサーは、一酸化窒素分子が神経伝達物質であり、血管の弛緩作用を有するなど重要な役割をすることから、それらを認識する材料の開発は期待されていたが、本研究では、この一酸化窒素分子をセンシングする分子の開発に成功した。具体的には、N2S2系配位子を有するコバルト錯体と鉄錯体である。これらは高感度でしかも一酸化窒素のみを結合することが明らかとなった。
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