研究課題/領域番号 |
22350041
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
笹井 宏明 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (90205831)
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研究分担者 |
竹中 和浩 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (20423113)
滝澤 忍 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (50324851)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 不斉 / スピロ / パラジウム / 酸化 / 複素環 / 触媒 / 配位子 |
研究概要 |
本研究では、4 価のPd が反応中間体として寄与するPd(II/IV)系触媒反応や、Baldwin 則からは反応が進行しにくいとされている5-endo-trig 型環化反応等、既存の触媒ではラセミ体の合成すら困難な反応をエナンチオ選択的に促進する新規分子骨格構築反応を開発を行った。新規骨格構築反応には、本申請者が独自に開発した酸化的条件下でも安定なスピロビスイソオキサゾリン配位子(SPRIX)等のキラル配位子を活用すると共に、SPRIX 配位子自体の触媒的不斉合成による光学活性体としての供給や、より効果的な不斉空間を持つ新規スピロ型配位子の創製も検討し、以下の結果を得た。 SPRIX配位子を用いると、通常求核剤として働くPdエノラート種が求電子剤として振る舞い、カルボニル基α位でアセトキシ化が進行することを見出した。本手法を応用することで、大気圧の酸素雰囲気下にてアルキニルシクロヘキサジエノンから、多官能性キラルベンゾフラン誘導体を高収率で得ることに成功した。本反応はアルキン部位のアセトキシパラデーションを契機として進行し、生成したビニルPd結合にシクロヘキサジエノンのオレフィンが挿入した後、生じたPdエノラートにアセタートが求核攻撃して生成物を与える。カルボニル基α位で起きた特異なアセトキシ化は、Pdエノラート中間体のLUMOのエネルギー準位により説明でき、他のPdエノラート種に比べ、低いσドナー性を示すSPRIXが配位することでLUMOが低下し、その結果求核攻撃を受け易くなったと推察される。 さらにSPRIXの特長を活用して、アルケニルアルコールを基質としたエナンチオ選択的Pd(II/IV)触媒反応の開発を行い、光学活性な4‐アセトキシ‐2,2‐ジフェニルテトラヒドロフランの効率合成に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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