研究課題/領域番号 |
22350043
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
網井 秀樹 群馬大学, 理工学研究院, 教授 (00284084)
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研究分担者 |
林 昌彦 神戸大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (60192704)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 有機合成化学 / フッ素 / クロスカップリング / トリフルオロメチル化 / 有機金属化学 / 選択的変換 |
研究概要 |
触媒的含フッ素官能基導入反応の開発に向けて、以下のアプローチで研究を実施した。 (1)触媒的芳香族トリフルオロメチル化反応の高効率化:芳香族トリフルオロメチル化合物はフッ素原子の特異的な性質により、医薬・農薬等に広く用いられている。シリル化トリフルオロメチルヘミアミナールは室温で安定であり、入手容易なトリフルオロアセトアルデヒドヘミアセタールから容易に合成でき、有用な芳香族トリフルオロメチル化剤として用いることができることを、昨年度に論文発表を行った。私たちは本年度、本銅触媒クロスカップリングの反応機構を調査すべく、銅等量反応における中間体の捕捉を試みた。その結果、第一段階の銅アルコキシド中間体は、NMRで観測することができたが、次のβ炭素脱離によりトリフルオロメチル銅錯体の生成は確認できていない。一方、触媒的芳香族トリフルオロメチル化反応の高効率化を目指し、触媒検討を実施したところ、2-チオフェンカルボン酸銅を用いると、目的反応の生成物の収率が飛躍的に向上することがわかった。さらに、本触媒反応のスケールアップを行い、グラムオーダーで芳香族トリフルオロメチル化合物を得た。 (2)芳香族モノフルオロメチル化反応の検討:2-アリールフルオロ酢酸エステルの脱炭酸反応による芳香族モノフルオロメチル化を検討した。当初はフルオロ酢酸エステル誘導体とヨウ化アリールとのクロスカップリング反応を試みたが、フルオロ酢酸誘導体の取扱の困難さ、反応性の低さ等の問題が生じたため、別法(2-アリールジフルオロ酢酸エステルの還元的脱フッ素化)で2-アリールフルオロ酢酸エステルを合成した。本モノフルオロメチル化反応は、研究期間を5ヶ月間延長し、慎重に行った。還元的脱フッ素化によって得られたモノフルオロエステルを、加水分解した後に脱炭酸を行うことで、目的の芳香族モノフルオロメチル化合物に変換できた。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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