研究課題/領域番号 |
22350050
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉崎 武尚 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90230705)
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研究分担者 |
中村 洋 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90243162)
井田 大地 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80610518)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 高分子物性 / 高分子溶液物性 / ポリ-N-イソプロピルアクリルアミド / 高分子水溶液 / 相挙動 / 曇点 / 吸熱挙動 |
研究概要 |
ポリ-<i>N</i>-イソプロピルアクリルアミド(PNIPA)水溶液の昇温にともなう白濁現象の原因を明らかにするため,平成22,23年度に3種類の末端基を有するPNIPA原試料を順次合成,精製した精密測定に耐える分子量分布の狭い一連の測定試料を用いて,特性解析,曇点測定,熱量測定,小角X線散乱測定を行ってきたが,最終年度である平成24年度は実験結果を確定するための幾つかの追加実験を行い,得られた実験結果に基づき以下のような総合的な結論に至った. (1) PNIPA水溶液の昇温によって白濁する温度(曇点)が長鎖分枝の有無や末端基の疎水性,親水性によって異なることを明らかにした.また,疎水性末端基を持つPNIPA水溶液においては,マクロな相分離に先立ち分子間会合が起こるため,曇点曲線が相境界温度である共存曲線と必ずしも一致しないという重要な事実を指摘した. (2) 有機溶剤を溶媒とする高分子溶液においても末端基の影響は知られているが,溶液のマクロな挙動にまで影響することはない.水和によって高分子鎖が分散して均一溶液を形成する水溶液では,水和構造が疎水性基に敏感なためにドラスティックな変化が起こると考えられる.したがって,PNIPA 水溶液で観察された上の現象は高分子水溶液に共通する現象であると考えられる. 本課題の範囲を越えるが,上の結論(2)を受けて,他の代表的水溶性高分子であるポリビニルアルコール(PVA)を対象とする研究に着手した.PVAの水溶液物性は古くから研究が行われているが,PVAは部分的に結晶するために水溶液の調製に注意を要する.試料調製と溶液調製に工夫を凝らすことでPNIPAと同程度の実験結果が得られることをすでに確認しており,今後,本課題から導かれた推論を検証する.
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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