研究課題
今年度は進化する刺激応答性ポリマーを目指し、以下の3方向で検討を行った。(1) 新しい刺激応答性ポリマーを合成するための制御重合開始剤系の開発:これまで主にビニルエーテルのリビングカチオン重合を用いてきたが、今年度はさらなる展開のためにスチレン系やアルケン系の重合触媒の検討も進めた。ビニルエーテル重合系では、ハロゲン化金属を用いない超強酸と添加塩からなるリビング重合系を見いだした。アルコキシ及びアルキルスチレンのカチオン重合では、ビニルエーテルとは異なりルイス酸の選択が重要で、ルイス塩基や塩の添加によりリビング重合が進行することが見いだされた。アルケン系に関しては、昨年度までに見いだした制御重合の反応機構の検討を行った。(2) 形態やシークエンスの異なる種々の刺激応答性ポリマーの合成:温度応答性セグメントとフィルム形成が可能なスチレン系などのセグメントを組み込んだブロックコポリマーを新しく合成し、生成フィルムの温度応答挙動を検討した。その結果、ポリマーの分子設計やフィルム作成条件の選択により生成したラメラ型ミクロ相分離構造が温度応答性に有効なことがわかった。さらに、スチレン誘導体ポリマーと組み合わせた温度応答性ブロックコポリマーは、わずか3℃の変化で高感度に表面の親水/疎水状態を繰り返し変化できるようになった。(3) 低分子化合物に完全分解する刺激応答性リビングポリマーの精密合成:植物由来の共役アルデヒドをはじめとする鎖状や非共役系の種々のアルデヒドを用いて重合を行い、本系の反応機構を詳細に検討した。また、温度応答性を有するビニルエーテル類を用いて制御型交互共重合を行い、世界ではじめて刺激応答性と完全分解性を有する交互ポリマーを合成した。<総括> 今年度は本課題の最終年度として、多様な刺激応答性ポリマーの合成に関してこれまでの検討結果を総括した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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