これまで、アゾベンゼン、サリチリデンアニリン、フリルフルギドなどの結晶は光で屈曲することを明らかにしてきた。今年度は、キラル結晶のフォトメカニカル機能について検討し、光屈曲を示すキラルなアゾベンゼン、サリチリデンアニリン結晶を創製することができた。また結晶の複合化についても検討し、光屈曲性のキラル複合結晶を創製することができた。さらに、キラル結晶のフォトメカニカル特性とキラル光学特性の関係について検討した。その結果、光屈曲性のキラルなサリチリデンフェニルエチルアミン結晶の旋光性、円二色性のキラル光学特性をG-HAUP(Generalized High Accuracy Universal Polarimeter)を用いて測定することができた。多形結晶のフォトメカニカル機能についても、各種サリチリデンアニリンを用いて検討し、結晶構造と光屈曲特性の関係を明らかにするなど、結晶工学に基づくフォトメカニカル結晶の研究をかなり進展させることができた。
|