平坦で広い作用面が関わるたんぱく質間相互作用(PPIs)に対し、合成有機分子を基盤とする阻害剤を設計する新規な手法として、モジュールアセンブリ法を検討した。対象となるたんぱく質表面を構造上の特徴に基づいて分割し、局所的な表面と相補的に結合する低分子モジュールを設計し、これらをスペーサーによる共有結合、金属錯体形成、標的たんぱく質表面上でのケミカルライゲーション反応、によって組み上げることにより、たんぱく質表面に対して複数の作用点を持つ集積体を導いた。一例として、活性ポケットと表面を認識するモジュールを連結したアンカー型酵素阻害剤は、K-Ras と FTase の過渡的 PPI を nMで阻害することを明らかにできた。さらに、ペプチドミメティクスとグアニジル基の導入で、sub uM で細胞活性を示す化合物の取得に成功した。
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