研究課題/領域番号 |
22350080
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
舟橋 正浩 香川大学, 工学部, 教授 (90262287)
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キーワード | 液晶 / ペリレンテトラカルボン酸ビスイミド / 液晶性半導体 / 電子輸送 / エラストマー |
研究概要 |
より柔軟な液晶材料を得るため、半導体として機能するπ電子共役系に、複数のオリゴシロキサン鎖を導入した液晶材料の合成を検討した。ペリレンテトラカルボン酸ジイミドに複数のオリゴシロキサン側鎖を導入したところ、室温でカラムナー相を示すn-型の液晶性半導体が得られた。この液晶材料はヘキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、トルエン、THFなどの有機溶媒に対して良好な溶解性を示し、スピンコートによる薄膜作製が可能であった。Time-of-Flight法によって電子移動度を測定したところ、室温で、10^<-3>cm^2/Vsを超える値を示した。オリゴシロキサン鎖をジシロキサンにすると、室温で高次のカラムナー相が出現し、電子移動度は10^<-1>cm^2/Vsに向上した。この液晶材料は室温で柔軟な液晶状態を示すことから、架橋することにより伸縮可能な薄膜を作製することが可能であると期待される。スピンコート法により、薄膜作製も可能であり、摩擦転写法により、カラムが一軸配こうした薄膜を作製することに成功した。 液晶性薄膜の作製後、液晶相でのカラム構造を保持した液晶性薄膜の作製を目的として、重合性のシクロテトラシロキサン部位を有するペリレンテトラカルボン酸ジイミドを合成した。現在、液晶性の評価と薄膜化を検討している。 また、ペリレンテトラカルボン酸ビスイミドをテトラシロキサン鎖でつないだ直鎖型高分子の合成を検討した。スピンコートによる薄膜作製は可能であったが、液晶性は発現しなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
キャリア移動度の大幅な向上には成功したものの、架橋には成功しておらず、エラストマーとしての性質を有すr薄膜の作製は達成していない。
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今後の研究の推進方策 |
重合性の環状シロキサン部位を有するペリレンテトラカルボン酸ビスイミド誘導体を合成し、薄膜化、高分子化、架橋を検討する。
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