研究課題/領域番号 |
22350089
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
岩本 正和 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (10108342)
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研究分担者 |
石谷 暖郎 東京工業大学, 資源化学研究所, 講師 (50302617)
田中 大士 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教 (00528002)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | メゾ多孔体 / シリカ / エタノール / 銅イオン担持体 |
研究概要 |
本年度は本研究の最終年度であるため、エタノール→プロピレン反応の反応経路の確定、イソブテン収率の向上、銅イオン担持シリカメゾ多孔体の有機合成触媒能の拡張に注力した。 まず、プロピレン合成経路の確定では、パルス法および赤外分光法を用いて、各種中間体の反応性を系統的に検討し、以下の経路で反応が進行していることを確定した。エタノールの脱水素によるアセトアルデヒドの生成、水酸基あるいは共存水によってアセトアルデヒドが酸化され酢酸が生成、酢酸のケトニゼーション反応によるアセトンと水の生成、アセトンの水素化による2-プロパノールの生成、2-プロパノールの脱水によるプロピレンの生成。アセトアルデヒド→酢酸の経路については赤外分光法によってエトキシド中間体→アセテート中間体を確認した。 一方、イソブテン収率の向上については酸化インジウム触媒に酸化鉄を修飾するのが有効であることを見出した。現時点で単流収率40%を達成できている。これは理論最高収率67%の約2/3に当たり、かなりの高収率である。ただし、ゆっくりした触媒劣化が同時に観測されており、この克服が将来の検討課題である。 銅イオン担持シリカメゾ体の触媒作用については、sp炭素C-Hアリール化反応およびsp2炭素C-Hフェニル化反応の両反応の実現に成功した。特に後者の反応ではアニリン誘導体、α-アリール酢酸アミド、α-アリール酢酸エステルのPh化反応に成功し、高い収率を実現した。これらの反応は従来はPd系触媒のみで実施可能とされていた反応系であり、脱貴金属触媒の一つの成功例と考えている。本反応系の場合、反応メカニズム解析を元にして、アルキルベンゼンのPh化反応を試みたところ、比較的高い収率で二置換、三置換ベンゼンを得ることができた。これらの反応はこれまで全く報告されたことのない新規な反応系であり、今後の発展が期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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