研究課題/領域番号 |
22350090
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
笹井 亮 島根大学, 総合理工学研究科(研究院), 准教授 (60314051)
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研究分担者 |
森吉 千佳子 広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (00325143)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 層状複水酸化物 / 陰イオン交換 / 陰イオン選択性 / 結晶構造解析 / 資源回収 / 廃水処理 |
研究概要 |
当該年度は、金属組成の異なる結晶性の良い層状複水酸化物(LDH)を水熱法により合成可能なNiとAlからなるLDHを合成し、これらを用いて(1)塩化物イオンから他のイオンへの陰イオン交換反応実験と(2)炭酸イオン型、塩化物イオン型、硝酸イオン型の結晶構造解析を実施した。なお(2)についてはSPring-8での放射光X線回折実験で得られたデータを解析した。 (1)陰イオン交換実験の結果、Ni/Al比により陰イオン交換選択性が大きく異なることが明らかとなった。特に、通常選択性が低いことが知られている硝酸イオンに対する選択性が、Ni/Al=4の場合に他の陰イオンよりも高くなることが明らかとなった。このことは、LDHの陰イオン交換選択性を構成金属の組成比により制御可能なことを示す結果である。なお、比較として行ったMgとAlからなるもっとも一般的なLDH(Mg/Al=2)の陰イオン選択性は、Ni/Al=2の場合とほぼ同じであったことから、陰イオン交換選択性は構成金属種よりも構成金属組成の方に大きな影響を受けることが明らかとなった。 (2)SPring-8で得られた粉末回折データを用いてMEM-Rietveld法により解析することにより、Ni/Al比の異なる炭酸イオン型、塩化物イオン型、硝酸イオン型のLDHの精密な結晶構造解析に成功した。また、電子密度分布をも決定することができた。この解析から明らかになった結晶学的パラメータについて、塩化物イオン型と硝酸イオン型を比較すると、層間に存在する陰イオンの熱振動パラメータの大小関係と陰イオン交換選択性に明確な相関が認めれた。この結果から、LDHの陰イオン交換選択性を決定している因子としては、構成金属の組成比とそれに伴い変化する層間の陰イオン及び水分子の熱振動状態の二つが少なくともあげられることを明らかにできた。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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