研究課題
平成25年度に発表した論文の概要は、主に、セルロースおよびキトサン等の天然多糖、または、ヒドロキシプロピルセルロース等の修飾多糖溶液をエレクトロスピニングして作成した微細繊維不織布を化学修飾し、保護アミノ酸およびペプチド等の接着機能性を持つ分子を微細繊維表面に化学結合により導入することに成功した。この様に作成した接着分子結合微細繊維不織布を適切な酸または塩基性条件下で処理を行い、保護基の除去も可能であることが分かった。このように得られたペプチド・アミノ酸修飾セルロース微細繊維不織布は、Ca2+などの二価金属イオン吸着特性が向上することが判り、この性質を利用して骨組織接合への応用が可能であることが示唆された。前年度では、新規な水中接着・繊維形成能を持つ水生昆虫由来のシルクタンパク質に着目し、その精製およびアミノ酸配列の解析を行い、非常に高度にホスホリル化を受けている特異な繊維原料タンパク質であることを明らかにしたが、本年度では、このような性質は生体組織接合、特に、硬組織接着に応用するため、水生昆虫シルクタンパク質を原料とし、エレクトロスピニングにより微細繊維化する手法を最適化した結果、平均繊維直径 110nm 以下のナノファイバー不織布を得ることに成功した。さらに、水生昆虫シルクタンパク質のナノファイバー不織布は骨芽細胞接着において優れることが明らかとなっり、バイオメディカルマテリアル研究への展開が期待される。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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