| 研究課題/領域番号 |
22350104
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| 研究機関 | 京都大学 |
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研究代表者 |
陳 勇 京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 特定拠点教授 (70512458)
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| 研究分担者 |
亀井 謙一郎 京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 特定拠点助教 (00588262)
劉 莉 京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 特定研究員 (50380093)
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| キーワード | 高分子機能材料 / ナノファイバマトリクス / 幹細胞工学 / 神経細胞ネットワーク / 分化制御 |
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| 研究概要 |
「研究目的」
申請者らが独自に構成した生体適合性ナノファイバマトリクスを用いた多能性マイクロ流体システムを構成し、胚性幹細胞(ES cell)及び誘導多能性幹細胞(iPS cell)の分化過程とその方向を制御する。特に、神経細胞の形成に着目して神経細胞ネットワークの形成試験を行う。細胞増殖を促進しうる空間パターンと生化学材料を導入した基材を用い、神経軸索と樹状突起の成長及びシナプス接合の生成を促す。本研究が成功すると、神経系バイオマーカ・薬剤の高効率スクリーニング(HTS)テスタのみならず、バイオマシンインタファイスのモデルが提供されると期待できる。
「研究計画及び実績」
昨年度までに、申請者らはナノファイバーを用いた幹細胞の未分化状態を制御する新規手法の開発に成功した(2nd NanoToday International Conference 2011, 8th iCeMS international sympusium 2010, Biotechnology Lett. Under revision)。今年度は、引き続き、MEMS加工法をナノファイバーと融合し、パターン化させる新規手法の開発に取り組んだ。パターン化したナノファイバー上で、神経細胞に、直接マウスES細胞を誘導させることができ、分化した神経細胞のパターンに沿ったネットワーク形成に成功した(論文投稿準備中)。現在、この神経細胞ネットワークの機能を評価するために、マイクロアレイシステムに取り組んでいる。更に、来年度には、ヒト多能性細胞から神経細胞分化誘導に最適なナノファイバーを見出し、ヒト神経細胞ネットワーク構成を検討する予定である。
また、細胞分化に影響しうる可溶性因子(NGF,BDNF等)を種別・濃度別に高効率に振り分けることを可能とする高効率スクリーニングデバイス(マイクロ流路)を構築するための、新規オープン式マイクロ流路デバイス開発に成功した(Lab on chip 2011)。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ナノファイバー上でES細胞を培養し長期的に未分化状態を維持する手法と、ES細胞由来の神経細胞ネットワーク形成については、計画以上に進展した。マイクロアレイシステムを用いて、構成されたネットワークの機能評価に関しては、マイクロアレイデバイスの作成には厳密な条件検討必要になるため、やや遅れている。来年度は、この部分に重点をおいて、研究を行う予定である。
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| 今後の研究の推進方策 |
来年度については、ナノファイバーを用いて、ヒトES/ips細胞から神経細胞への分化誘導を向上させる。また、神経ネットワークの機能を評価するために、マイクロアレイデバイスの設計や条件検討を行う。この研究を促進するために、デバイス分野を得意とするフランス・ENSに所属の共同研究者が来日する予定である。さらに、ナノファイバーをマイクロ流路と組み合わせ、高効率スクリーニングシステムを構築することにより、神経細胞への分化速度と効率を向上させる。
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