研究概要 |
シリコン結晶内に発生する{311}ロッド状欠陥は,天然の量子細線ともよべる低次元電子系を伴う。本研究では,この欠陥の特異性を利用してシリコン生来の間接遷移特性を克服し,導波路型シリコンLEDから極低温で動作するシリコン光増幅器実現への道筋をつけた。「制御された欠陥」を発光中心とする光能動デバイスを実現すべく,(1)形成素過程に踏み込んだ欠陥発生制御とLED発光効率を指標とした導波路への精密欠陥導入,(2)電流駆動光増幅の実証,(3)利得発生に有利な局在電子系の同定と分離・抽出,(4)導波路LEDの室温動作と30MHz直接変調を行い,{311}欠陥量子細線ロッドの光学的な有用性を明らかにした。
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