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2010 年度 実績報告書

新しい酸化物半導体による光・電子・磁気融合機能の創成

研究課題

研究課題/領域番号 22360007
研究機関京都大学

研究代表者

藤田 静雄  京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20135536)

キーワード酸化ガリウム / コランダム構造 / 混晶 / スピントロニクス / バンドギャップ制御 / ヘテロ構造
研究概要

酸化物半導体として酸化ガリウムに着目し、ミストCVD法による成長を行ったところ、X線回折ロッキングカーブ半値幅が40秒以下の高品質コランダム型結晶がサファイア基板上に成長することがわかった。これを受けコランダム型の酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化クロム等との混晶系を着想し、バンドギャップと格子定数の関係を示す図を完成させた。これをもとに材料設計を行い、成長と物性探索を行った結果、以下の結果が得られた。
1.サファイア基板上に成長した酸化ガリウムの詳細な構造解析から、単結晶コランダム型で回転ドメインを含まないことが分かった。また禁制帯幅は5.3eVで、混晶系の基盤材料になりうることが判明した。ただし0.1%程度の斜方晶成分の混入があり、成長条件の最適化によってこれを少なくしてゆく必要性が示唆された。
2.酸化鉄との混晶である酸化鉄ガリウムにおいて、全混晶組成領域においてX線回折ロッキングカーブ半値幅が100秒以下と優れた結晶性を持つ薄膜が得られた。
3.酸化鉄ガリウムは低温から11OKまでの領域で強磁性を示した。これにより、混晶系による多層構造との組み合わせにより新しいタイプのスピントロニクスデバイスにつながることが示唆された。
4.酸化クロム薄膜の成膜を実証し、金属の表面コーティングに利用することで耐腐食性が大きく改善されることが判明した。これは機械応用等への波及効果をもたらすことが期待される。
5.酸化クロムガリウムの成膜を実証し、この成果により酸化鉄ガリウムと相補的な磁気特性を持つ応用展開が今後期待される。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Corundum-structured α-phase Ga_2O_3-Cr_2O_3-Fe_2O_3 alloy system for novel functions2010

    • 著者名/発表者名
      金子健太郎
    • 雑誌名

      Physica Status Solidi (c)

      巻: VOL.7 ページ: 2467-2470

    • 査読あり
  • [学会発表] Functional oxide semiconductors as green materials with green chemistry2011

    • 著者名/発表者名
      藤田静雄
    • 学会等名
      Workshop on Frontier Photonic and Electronic Materials and Devices
    • 発表場所
      Granada (Spain)(招待講演)
    • 年月日
      2011-03-17
  • [学会発表] 超音波噴霧ミストCVD法によるYSZ基板上β-Ga_2O_3薄膜の作製2011

    • 著者名/発表者名
      伊藤大師
    • 学会等名
      2011年春季第58回応用物理学関係連合講演会
    • 発表場所
      (2011年春季第58回応用物理学関係連合講演会講演予稿集)
    • 年月日
      2011-03-09
  • [学会発表] c面サファイア基板上α-Ga_2O_3薄膜の断面および平面TEM観察2011

    • 著者名/発表者名
      金子健太郎
    • 学会等名
      2011年春季第58回応用物理学関係連合講演会
    • 発表場所
      (2011年春季第58回応用物理学関係連合講演会講演予稿集)
    • 年月日
      2011-03-09
  • [学会発表] Characterization of corundum-structured Ga_2O_3 and Fe_2O_3 oxide semiconductor thin films2010

    • 著者名/発表者名
      金子健太郎
    • 学会等名
      European Materials Research Society 2010 Fall Meeting
    • 発表場所
      Warsaw (Poland)
    • 年月日
      2010-09-16

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公開日: 2013-06-26  

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