研究概要 |
1. カーボンナノチューブファイバレーザーを用いた光周波数コム光源の開発 カーボンナノチューブをポリイミドに分散させ,フィルム化したデバイスを可飽和吸収体として用い,Er添加ファイバと組み合わせて超短パルスファイバレーザーを開発した.更に,このレーザーからの出力をファイバ増幅器で増幅し,高非線形ファイバに入射して1.1~2.4umに渡って広がるスーパーコンティニューム(SC)光を生成した.そして,生成したSC光を周期分極LiNbO3結晶を用いたf-2f干渉計に入力し,fceoを観察した.更に,ファイバレーザー中に位相変調器を用い,励起LDの電流制御と合わせてフィードバック制御をすることで,光周波数コムシステムを開発した.その結果,従来の非線形偏波回転を用いたファイバレーザーよりも線幅は太いものの,全ファイバ型で安定なシステムを構築することができた,今後,共振器の改良等により更に高度化を図っていく予定である. 2. 直交偏光パルス捕捉を用いたcw光からの超短パルス光の生成 代表者が見出した複屈折ファイバにおける直交偏光パルス捕捉現象を用いて群速度整合条件を満たすcw光成分を捕捉し,増幅することで,cw光から超短パルス光を生成することに成功した.このとき,常に時間的に重なっている超短パルス光によって増幅することで,40dB以上の大きな利得を得ることができた,この増幅手法は広い波長帯域において増幅作用を得ることができ,高機能な光増幅器を実現することができる.また,cw光からの超短パルス光の生成を比較的容易に実現することができる.今後,更に縦モードの特性等を評価していく予定である.
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