LED用途に適した青色励起可能な新規蛍光体を開発するために、窒素含有量が高い組成において、未知結晶の物質探索を行った。窒素リッチ組成での物質合成には、全ての原料において窒化物が必須となるが、市販で入手できるものは限られていたため、先ずアルカリ土類元素と希土類元素について、金属をアンモニア中で窒化する手法を開発し、実験に必要な窒化物原料をそろえた。 次に、Si3N4-AlN-Ca3N2、Si3N4-AlN-Sr3N2、Si3N4-Ba3N2、Si3N4-AlN-LaN、Si3N4-AlN-YNの各系について、三角形内の種々の組成物を合成した。合成物に対して、粉末X線回折測定および単結晶X線構造解析測定を行い、既知物質との相関係および新規結晶の同定を行った。 これにより、5種類の新規結晶を見いだした。新しい結晶にEuやCeの元素をドープして材料を合成したところ、紫外から青色の励起光をあてることにより可視域で発光することが確認され、新しい蛍光体を合成することができた。 今後、蛍光体としての基本物性を測定した後に、LED用途の可能性を検討する予定である。
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